第 171 回 エネルギー問題に発言する会 座談会議事録
〜JANSIの改革と挑戦〜
議事録作成 針山日出夫
講師:松浦祥次郎氏 原子力安全推進協会(JANSI)理事長
日時:平成 28 年 11 月17 日 15 時45分〜17 時10 分
場所:JANSI 第2・3会議室(田町ジュベルビル13F)
座長:河原SNW会長
参加者:会員約 40 名
配布資料:@ JANSIの活動について
2015年5月にJANTIから改組されたJANSIの目指すところについてお話いただくため松浦代表(当時)にご登壇願った。その後、3年半たち、現在の原子力の状況を踏まえ、改めてJANSIの活動と今後の展開についてお話しいただくこととした。
【講演概要】
JANSIは東電福島事故を契機に元のJANTI(原子力技術協会)から変身し、原子力発電所などの原子力産業の安全性向上対策を切れ目なく推進し、そのエクセレンスの追求が確実なものとなるよう組織をあげて取り組んでいる。今回は組織トップの松浦理事長から、組織としての独立性と中立性を維持しつつJANSIミッション達成の為の活動規範と日々の取り組みについて熱意溢れる濃密な説明がなされた。
【説明内容と特記事項】
❏前置き
JANSI誕生経緯、東電福島事故の反省に立った原子力安全の在り方、JANSIのリーダーシップに対するINPOからの厳しい指摘などに言及しつつJANSIの立ち位置と行動哲学が醸成されてきた経緯説明があった。
❏資料に沿った活動規範と活動実態の説明
配布資料に沿った要点説明があった。以下に特記事項を列記する。
− JANSIの価値と活動規範:
自主規制組織が目指す基本原則とエクセレンスの追求・事実に基づく独立した立場での事業者の評価の実施
− 組織改革:
組織ガバナンスとパフォーマンスを追求するべく、フラット型からピラミッド型への転換
− 事業者、規制当局からの期待:
世界最高水準の安全達成にむけた事業者牽引と自主規制組織としての機能の発揮
− 組織活動の特徴:
情報共有・意識共有などに基づく事業者との協働原則
− ミッションとビジョン:
弛まぬエクセレンスの追求による事業者活動の牽引が基本
− 当面の重要課題:
質の高いピアレビュー、再稼働支援、シビアアクシデント対策評価等 再稼働については、プラントごとにカスタマイズした支援プログラムを精力的に実施中
− 継続的課題:
規制機関との信頼関係及びJANSI職員の専門能力の涵養。
米国のNRC/INPOの状況を一つのモデルとして、JANSIとNRAが補完的関係で機能できるように模索中
− 本日の纏め
@ 検査制度の見直しに伴い自主的安全性向上が一層重要となるので、自主的規制組織として鋭意注力していく。
A 安全に再稼働できるよう最大限支援
B ピアレビューを基軸とした各種支援活動のサイクル確立を目指す。
<主な質問:回答は省略>
@ 規制機関との信頼構築に向けての課題と対応について
A JANSIの新たなミッションとして、国民との開かれた窓機能の可能性
B JANSI職員の原子力産業界からの人材活用方策について
C 安全目標の設定の在り方について
以 上