NHKスペシャル「原発解体?世界の現場は警告する」をどう解釈したらいいのだろうか
【PJニュース 2010年3月14日】林 勉 投稿
『驚き! 原発解体の現場=NHK番組(上・中・下)』という報告がPJオピニオンに昨年10月21?23日に掲載された。一方、今年4月号の雑誌「WILL」(現在店頭販売中)に、間違いだらけのNHKスペシャル「原発解体」という記事が掲載された。この内容もまた驚きである。何が正しく、どう考えればよいのかを検証する。
NHKスペシャル「原発解体?世界の現場は警告する」は昨年10月11日に放映された。これに対する感想がPJオピニオンとして掲載されたが、これはNHKの放映内容が真実であるという前提で、「そこで目にしたものは予想を超える驚愕の実態だった」として、下記のような問題点を指摘している。
・原発は建設時に解体のことを考慮していない。
・原発解体が技術・費用・安全面で大きな問題を抱えている。
・膨大な放射性廃棄物の処分場所が決まらない。
・解体や処分のために巨額の税金をつぎ込まざるを得ない。
一方雑誌「WILL」では、石川迪夫氏が、厳しい口調でNHKの放映の問題点を指摘している。実際に原子力発電所の廃炉を実施している関係者の「原子力デコミッショニング研究会」の調査では、この1時間の番組の中で52ケ所におよぶ事実誤認や間違いが見つかっていると指摘している。
これらの事実誤認や間違いはちょっとした表現の中に現れ、そこからことさらに大きな問題であるように発展させており、一般視聴者にはなかなか分からないように巧みに組み立てられている。
これらについて石川氏は具体例を引いて丁寧に分析し、NHK放映の問題点を浮き彫りにしている。その上でNHKの報道姿勢について、悪質なナレーションを使った悲壮感の演出、結果的にはヤラセ、羊頭狗肉の詐欺映像、と切って捨てている。
わたしはこれら両極端の見解を見て、やはり現場を知る方たちの見解の方が正しいものと判断せざるを得ない。とかくNHKの報道を無条件に信頼しがちであるが、この例のようにNHKといえども視聴率を稼ぎたいために、見て面白いように意図的に真実をゆがめてしまうことがあることに注意しなければならない。
NHKは民放と違って公器としての役割が強いので、正しい報道に努めてもらいたいものだ。【了】
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