総合資源エネルギー調査会電気事業分科会

原子力部会での議論の周辺

(座談会議事録)                           

日時:2005年10月19日 15:00〜17:00

演題:原子力部会での議論の周辺

講師:東京大学大学院システム量子工学専攻 教授

総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会 部会長

田中 知 氏

座長:松永 一郎

 

(座談会主旨)

2004年6月に原子力委員会においてスタートした「新計画策定会議」の審議結果は、この10月14日に、「原子力政策大綱」として最終的に閣議決定された。今後政府はこの大綱を我が国の原子力政策に関する基本方針として尊重し、原子力の研究、開発および利用を推進していくことになる。

 その基本方針を具体的な政策として展開、実施していくのは関係する省庁の役割となっているが、展開・実施していく上でさまざまな問題点の存在が予想される。

今回はそのうちの電気事業に関わる諸問題の抽出、集約を審議されている経済産業省資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会会長の田中知先生のお話を伺い、現在あるいは今後どのようなことに焦点が当てられるのか知ることで、当会の今後の活動の参考にさせてもらうことになった。

なお田中先生は文部科学省の原子力分野の研究開発政策に関する委員会にも関係されているとのことで、文字通り今後の日本の原子力政策の要として、大所高所から全体を俯瞰される立場にある。

 座談会では始めの1時間を田中先生のご講演とし、後の1時間を質疑応答に充てた。

 

(講演概要)

 講演は先生が準備された16ページのペーパーに基づき行われた。

1.原子力部会のスタートに当たり、審議委員にお願いしたこと

 個別制度の部分的な利害得失といった観点よりも、我が国全体のエネルギー安全保障や地球温暖化防止といった大所高所からの観点からの議論をしてほしい。

 

2.原子力エネルギーの真の理解と畏敬

 原子力は人類が地球の資源制約と環境問題から困難に直面しようとするまさにその直前に神様があたえてくれたもの。その光と影をしっかりと見据えてバランスよく開発し、メリットを最大限に生かすよう使用していくのが我々の使命である。現実には環境問題一つとっても環境省と資源エネルギー庁には意識に差がある。閣議決定されたものであるから原子力推進の意味を環境省は理解してもらいたい。

なお今後はリスク管理が特に重要と考えている。

 

3.重要な観点

(1)様々な境界・前提条件の理解、極端な理想論の排除

 エネルギー確保は国家安全保障上、国の最重要政策に位置づけられるものではあるが、実際に原子力政策を進めるには地域のこと(経済、文化産業、共生)、電力自由化の影響、今までの経緯、メーカーの技術力の現状等を良く知っておかねばならない。原子力は良いからといって、あまり国主導で進めると様々なリアクションも出て来るであろう。

 

(2)様々な組織の最大限の活用

 日本には原子力学会、原産会議、原子力技術協会、JNES等の既存の組織がある。これらの組織の力を借りるほか、政党への働きかけ(健全なロビー活動)や様々な各種関連団体(シンクタンク、NPO/NGO)からの援助があればと考えている。

 

(3)責任ある人、組織の現実的な努力

 原子力への投資は明日への投資であり、国民への責任である。したがって責任ある立場にいる人は要所、要所で的確に対応し、果敢に決断することを要求される。採用可能な施策はそんなに多くない。税の枠組み変更はその一つである。自分としても税制について勉強し、具体的な理論として身に着けたいと考えている。

 

4.電力自由化と原子力に関連して

 原子力は環境問題とエネルギー供給両面から「地球を救う」と言う見方がある。一方電力自由化は質のよい電気を安定的に供給するということで、分けて考えるべきと思う。どうも電力自由化というとそれ自体が目的化されすぎているきらいがある。電力会社に自由化に対する不安感があると、そこから先議論がストップしてしまう。海外には失敗例もあれば成功例もある。我が国の状況に照らし合わせてよく考える必要がある。

 

5.原子力発電の貢献、30〜40%以上に関連して

 この問題がメーカーの技術力の維持と表裏一体なのはよく分かる。2030年からのリプレースに関してFSをすることになっているが、日本型で行くのかフランス型でいくのか議論のあるところ。また中型炉の話があるが、大型炉との比較は単にコストの問題だけではないであろう。電力サイドの観点では日本には大小の電力会社があり、競争が行き過ぎると疑心暗鬼が生ずる。電力間で協力してやっていけたらよいと思うが、国からはなかなか口出しできにくいことではある。

 

6.核不拡散問題への国を挙げての対応、国際核戦略、国際協力、原子力輸出

 核不拡散をめぐる世界の最近の動きは急であるが、日本は対応が遅れている。六ヶ所は混合酸化物として取り出すのであるから核拡散の問題は大丈夫といっているだけだはだめである。原子力の平和利用に関して有している権益に満足せずに、アジアのリーダーとしての役割を果たすべきである。この問題は省庁にまたがることが多く、省庁を超えた統括体制が必要。日本原子力機構に今度、核不拡散科学技術センターができるので、それに期待したい。

 

7.電力への期待

 電力は原子力発電の専門家として技術力、保守能力等の実力をつけて欲しい。また、株主との兼ね合いもあろうが、まだまだ地域独占企業なので地域との共生等、社会的責任を果たしていって欲しい。電力共研も減っているが、投資効果という額だけの問題ではない。また学生の採用も減っている。これらは次代への夢を与えるもの。よく考えてもらえたらと思う。

 

8.メーカーの技術の重要性

 技術力のあるメーカーがなければ我が国の原子力は存続し得ない。2030年のリプレースに向けて技術継承をどうして行くのか、原子力界全体で考える必要があろう。

 

9.国への期待

 何といっても明確で継続性ある原子力政策が重要である。特にこれから原子力界に入ろうとしている学生たちにとっては、これが見えないとなかなか決断しない。米国ではブッシュが明確に原子力推進政策を打ち出したが、小泉首相はほとんど触れていない。またあったとしても、科学的合理的な規制がないと円滑に進んでいかない。適切な政策立案にはメーカーや電力の現場のことをよく知っておくことも重要である。

 国と地方との関係、地方との合理的な仕組みづくりが必要だ。

 

10.地方への期待

 地域との共生、地域主体の取組が大切。独自の適切な専門家を養成したらとか、交付金を有効に活用して欲しいとかいろいろあるが、なかなか名案がでない。

 青森県の例であるが、よくよく調べると同県出身の大学生卒業生で日本原燃に入る者は数えるぐらいしかいない。ITER関連施設だけでなく、核燃料サイクル関連の研究施設ができないものか考えている。

 

11.プルサーマル

 電力2社が具体的なスタートを切ったのは意義深い。これについては様々なところから情報が発信されているが、使用済みMOX燃料の取り扱いや高速増殖炉サイクルとの関係等を肌理細かに説明して行く必要がある。U燃料が10%〜15%節約されるというだけでは前に進まないだろう。

 

12.高速増殖炉サイクル研究開発について

 これについては新計画策定会議でもいろいろな議論があったところである。2050年に実用化するという目標と、2015年までの「高速増殖炉実用化戦略調査研究」継続の話があるだけで、2015年から2050年までの計画は何も決まっていない。これから文部科学省と原子力部会で議論していくが、一体となってやっていかないと話がまとまらない。計画作成主体、研究開発主体を明確にし、段階に応じて適切な官民役割分担を決める必要がある。

 

13.第2再処理工場

 これには高速増殖炉開発、中間貯蔵、プルリサイクル全部が関係してくる。今回は議論できないし、しない方が良い。

 

14.バックエンド事業の着実な展開

 高レベル廃棄物の処分に関しては、サイトの公募を行っているがなかなか決まらない。手を上げるところがあると思うと直ぐ下がってしまう。電力はサイト選定でいろいろと苦労しているが、それが生かされていない印象である。NUMOそのものの存在が余り認識

されていない。何か仕組みづくりが必要かもしれない。国もNUMOにまかせっきりでなく、NUMOが説明する時に横に付いているといったことをした方が良い。研究開発については原環センターを中心とした新協議会に期待したい。

 余裕深度処分は現在六ヶ所の処分場で処分している低レベル廃棄物の10μSv/年を超える廃棄物の処分問題。廃炉の進展と共に発生量が増えてくるがこの線量規制値をどうするかが問題。海外では100とか300μSv/年といった規制値を使っているが、それを使うとなると10μSvとの整合性をどうとるかが問題。原子力安全委員会で議論が開始される。知恵と汗を搾らねばならない。

 

15.サイクル技術

 濃縮に関して、新型遠心分離機の開発が進められており、カスケード試験をすることになっている。ただ動燃からの技術移転の当初のごたごたが尾を曳いており、担当者が高齢化して若手研究者が不足しているのが気掛かりである。

 

16.人材育成(スキップ)

 

17.科学的合理的規制

 原子力発電所の稼働率アップには科学的合理的な規制が不可分であり、これがないと電力関係者も力が入らないであろう。廃棄物に関してはウラン廃棄物が娘核種の発生で20万年後に線量がピークとなり、それを使うと10μSv/年をクリアーできない。天然にもあるのだから別扱いすべきとの議論もある。厄介な問題である。

 

18.日本原子力研究開発機構への懸念と期待

 原研とJNCの統合で予算、人員減でたいへん。そのことを理解してやって皆で支えていく必要がある。Jパーク等も思いのほか電気代、維持費がかかる。量子ビームテクノロジーは切り離したらどうかということも考えられる。核融合エネルギーの本体はフランスに決まったが、関連施設は日本ということで、日本460億円/10年、同額をヨーロッパが出すことになっており、かなりの額である。今後何をすべきかについて検討会がひらかれ、JT−60のコイルの超伝導化、材料開発、遠隔操作のシミュレーションをすることになった。

 

19.原子力による水素製造の可能性追求と実現への道筋

 どんな意味があるのか、真剣な議論が必要。石油の限界を考えて、今何をすべきなのか、実用化へのロードマップは何なのか議論しなければならない。

 

20.原子力政策大綱の政策化

 原子力部会と文科省関連の研究開発関連委員会の両方の審議会の平仄あわせが非常に大切と認識している。委員構成もよく考慮する必要があると考えている。

 

(質疑応答および主要意見)

 1.原子力部会のミッション

Q1:原子力政策大綱の閣議決定を受けて、原子力部会でその具体化について審議するとの事だが、政策化との関係はどうなのか。また政策大綱には原子力のことだけでなく、他のエネルギーとか環境のことにも触れているがそれとの兼ね合いはどうなるのか。

A1:閣議決定では「基本方針として尊重する。」と言っている。原子力部会は大綱の中の経産省関係のことについて問題点を抽出し、方向をまとめそれを経産省が政策化する。政策化するときに本当に政策大綱の内容を尊重しているかチェックするのも原子力部会の役目である。

なお、政策大綱の中の文科省や環境省に関する部分についてはそれぞれの省が審議会を開き、同じ様に進めるものと思う。

 

2.原子力の比率

Q2:原子力大綱の「2030年の原子力の比率30%〜40%またはそれ以上」というの  は資源エネルギー調査会需給部会報告の「2030年のエネルギー需給展望」の結果をそのまま引っ張ってきているだけだ。しかし2030年の需給展望は原油価格が27.4$/バレルを元に作られている。原油価格は今や60$/バレルで推移しており、どうもこれから先もあまり下がらないという見方がでてきているときに、閣議決定されたからといってこのままでよいのだろうか。これだけの値段になると、石油火力は4.5円/KWHのコストアップになり、バックエンドコストの1.5円/KWHは大した問題ではなくなる。このことについてどのようなお考えなのか。

Q3:30〜40%またはそれ以上という表現になっているが、実際には30%〜40%を中心と考えているようである。これは現状維持ということで、なにも努力をしないということ。我々の中では、地球温暖化問題まで考慮すれば輸送用の水素製造に原子力を利用するということで、火力発電のリプレースを火力にするのではなく原子力にして、少なくとも50%は原子力にすべしとの議論をしている。新計画策定会議や原子力部会でこのような議論はないのか。

Q4:原子力部会のミッションは原子力大綱の枠組みの中で具現化するために問題点を抽出し整理していくとの事だが、その枠を踏み越えて、原子力の比率を50%、60%にするには何があるのかといった政策議論まで突っ込んだ検討をしていく必要があるのではないか。

Q5:原子力技術の継承には炉を作るということが不可欠である。ところが今の計画では2010年から2030年までの20年間でたったの6基程度しか新設予定がない。原子力をやめると言う選択肢がない以上、これは重大な問題と考える。このことについてはどのようにお考えなのか。

Q6:世界を見渡してみると、これから15〜20年間の原子炉の建設予定は、中国30GW,インド30GWその他のアジア、アメリカでもそれくらいと先日のWANO会議で盛り上がっていた。原子力反対の最先端にいたグリーンピースの一部の人でも地球環境問題とオイル価格高騰問題から最近は様変わりして、原子力受け入れに転換してきている。このままいったら、日本のメーカーは脱落してしまうのではないか。

A2-6

新計画策定会議でも原子力部会でも原子力の比率についての話までは出ていない。しかし審議の過程で50%とかの話が出てくればそれはそれで整理していくこともある。技術継承のために炉の建設が必要との話は分かるが、それには国内需要をあてにしていてもだめで、どうしても輸出の話になる。保障措置、燃料の問題、フランスとの競合を考えるとアメリカと一緒に対応することはどうしても必要だろう。国内需要に関しては原油高騰の話もあるが、今後の電力需要の伸びの想定や各電力会社それぞれの規模に応じた考え方の違いもあり、国の指導というよりも、やはりこれはまず第一に電力会社の問題と認識している。

 

3.FBR,第2再処理

Q7:核燃料サイクルに関しては、原子力大綱は4つのシナリオを作り検討している。その結果、燃料サイクル路線の継続となったが当然第2再処理もシナリオに含まれるであろう。それも含めて長期的なシークエンスプログラムが見えてくるようにして欲しい。

Q8:原子力大綱にはFBRは2050年から商用炉として本格導入とだけ書かれており、第2再処理についても具体的なことには触れていない。FBRの2050年からの導入への道筋や第2再処理について原子力委員会ではしっかりと議論していない。FBRについては2015年まで、現在やっている実用化戦略調査研究を継続するとあるだけで、2015年から2050年までは白紙状態、第2再処理については2010年ころから検討を始めるとかかれているだけである。こんなのんびりした話では本当に良いのかというのが我々の考えであり、またこれでは、これから原子力に入ろうとしている学生には魅力がない。第2再処理関係では表には出てきていないが、現実にはいろいろな研究、検討がなされている。表に出していただきたい。

Q9:FBR開発に関しては省庁の枠組みを超えた体制が必要なのではないか。今まで、ATR、再処理、U濃縮と国が研究してきたものが、どれも実用化の段階で様々な齟齬をきたし、スムーズに民間への技術移転がなされていない。原因は研究開発を国が独占していて、商業化の時に一度情報が途切れてしまうことにある。すなわち文科省の領域から経産省領域への移行がスムーズに行っていないことにある。FBRに関しては技術開発と並行してメーカーまで入れた技術移転を含むFS体制を作る必要があるのではないか。

原子力部会でそのへんまで検討できないのか。

Q10:ロシア、中国、インドは明確な目標を定めてFBR開発にまい進している。こんなことだと、折角先行しているのに日本はあっという間に置いてきぼりを食う。このような話はあまり表に出ていない。縦割り行政の調整が難しいのであれば、話を表に出して、民意を外圧として使うということはできないものだろうか。

A7-10

FBRについてはまだまだ文科省の議論である。2015年、2050年の話はあるが、本当にそれでできるのか。それにいたる人やお金の問題はこれから詰めていく話である。その過程でもっと早くすると言うことも出てくるかもしれない。戦略調査研究の予算もたかだか20億円しかなく、あとは公募研究で補っていくとのこと。これで本当にできるかということに疑問がある。

FBR開発、実用化については、省庁間の個別権益にとらわれずもっとオープンに議論すべき問題と認識しているが、現実はそうではなく心配している。こういった問題について勉強するために、関係者をあつめた小グループの勉強会をスタートする準備をしている。


4.放射性廃棄物の処理・処分

Q11:放射性廃棄物の処分の線量限度は欧米では300μSv/年といった値となっているが、日本だけ10μSv/年と極端に低い。IAEA国際的基準では人間の手から離れた時に99μSv/年である。国際的なルールに忠実にやっていくということでよいのではないか。あまり国際的に厳しくやっていくと孤児になってしまう。現在、日米仏で世界の原子力発電の50%を占めているが、その日本だけ飛びぬけて規制が厳しく、こんなに厳しいと何もできないので困るというフラストレーションがヨーロッパでもある。なお、廃棄物に関連して廃炉の問題であるが、今のところ寿命60年という前提で考えられているが100年ぐらいでもよいのではないかと言う見方もある。そのへんの雰囲気作りを今から考えておかれたらどうか。

Q12:日本だけ10μSv/年の話であるが、規制値はICRPの動きと連動しており、ICRPの値は厳しくなっても緩くなることはない。注意する必要がある。

A11-12

  10μSv/年が飛びぬけて厳しい値であることは認識しているが、六ヶ所の低レベル廃棄物の埋設処分は現にそれを使っているわけであり、それを変えるとなるとキチンとした整合性がなければならない。誰が裏づけを出すかである。あと2〜3ヶ月のうちに結論を出さねばならない。なおこれは炉心等廃棄物(注:余裕深度処分)のことで、ウラン廃棄物、TRU廃棄物は別の話となる。

 

5.エネルギー問題に発言する会の意見の政府施策への反映

(1)核不拡散(NPT)、インド問題

Q13:NPTに関してはブッシュ、エルバラダイ構想があるが、いずれも輸出をするな、再処理やめろ、濃縮やめろということであまり差はない。それではこれから原子力を入れていこうと考えている発展途上国、わけても世界で一番伸びるアジア地区の国々では力が入らない。ここは一つ韓国、台湾等をまきこんで、日本としての構想を打ち出していくべきと考える。アジアのことはアジアにある程度任せてもらうという姿勢が大切である。一朝、近くで何かあったとき一番影響を受けるのは日本である。

  ただしこの問題については米国と歩調をあわせることが重要である。その米国が最近、NPT問題はさておいて、原子力で技術協力をするということでインドに急接近している。インドはNPT非加盟ではあるが、中国以上に核不拡散については気を遣っており、原子力の平和利用に熱心である。今後、原子力の大市場として期待できるが、日本政府はインドのNPT非加盟という事実だけをみて、アジアにおける原子力地域協力からシャットアウトしている。

  アメリカと協力して、インドにむけて将来的に日本製原子炉を輸出するという観点から、原子力部会は世論を見方につけ、日本政府をインド協力へと翻意させることはできないか。

(2)審議会のあり方について

Q14:原子力部会に限った話ではなく、日本の審議会制度は事務局案に対して審議委員が意見を言うだけ言った後に調整を取ってまとめるだけで、内容の詳しいことまで議論をしない。この方式は現在でもあまり変っていないのではないか。これだと事態が急変している時には間に合わないし一般の意見も反映されにくい。また閣議決定されてもあまり信用されない。アメリカのシンクタンク方式のようによく練った案をいくつか並べて審議会に提示し、比較検討をしてもらう方式のほうが良いのではないか。

Q15:原子力部会の審議項目は多すぎないか。うえから順番にやるとのことだが、総花的の感じがする。たとえば自分が選ぶとしたら、エネルギー教育、地球環境問題とエネルギー安定供給に対する日本の技術力による貢献、核拡散問題を含む国際問題への積極的対応等が考えられる。

A13-15

今まで頂いた多くの質問、コメントから、会員の皆さんがいろいろなご意見をおもちのようではあるが、それがなかなか政策まで反映されないことに不満を感じておられることが分かった。審議会で意見を反映させるには、多くの審議委員が同じような意見を述べる必要がある。会の意見を政策として取り上げて欲しかったら、意見を同じくする委員の同意をとり、発言してもらうのがよいだろう。

文責:松永一郎 以上

出席者(順不同 敬称略)

小笠原英雄、佐藤祥次、水町渉、山名康裕、今永隆、菊田滋、武藤章、竹内哲夫、堀雅夫、池亀亮、林勉、益田恭尚、石井亨、武藤正、神山弘章、斎藤修、伊藤睦、金氏顕、川人武樹、金子熊夫、石川迪夫、松田泰、石井正則、杉野栄美、荒井利治、西郷正雄、石井陽一郎、松永一郎