会員座談会議事録

「もんじゅ」の現状と今後の取組み

 

日時: 平成20417

場所: 原技協会議室

講師: 向和夫氏(日本原子力研究開発機構 FBRセンター所長)

座長: 中神靖雄

 

1.       講演の要点

(1)     Na漏れ事故後の改造

     工事及び工事確認試験は昨年8月に完了し、現在プラント確認試験中。(試験項目14177項目完了)

    Na漏洩検出器取り付け不良による再点検等を行っているが、本年10月臨界を目指している。

(2)     料取り替え計画等

     「もんじゅ」は平成7年運転中断後、10年を超え停止中であり、炉心燃料は、Pu241が核分裂性でないAm241に自然崩壊(半減期約14年)し、燃料中の核分裂物質が減少しているため、燃料取り替えが必要。

炉心確認試験前 78

40%出力試験前 二十数体(タービン通汽は40%炉出力)

出力上昇試験前 数十体

     耐震評価(活断層再評価等)はクリアした。

     今後の運転再開には地元との対応が重要。

(3)     もんじゅ」の役割

     発電プラントとしての信頼性実証とNa取扱技術の確立

     実用化技術の実証(TRU燃料、長サイクル、新燃料・材料、革新技術等)

     国際研究開発拠点として(特に米仏と)

     福井県エネルギー研究開発拠点化計画の一環として大学との連携協力、原子力・エネルギー教育の場として、産学連携・技術協力

(4)     Na漏洩検出器問題(検出器役割、誤警報の原因、対応の説明)

 

2.       主な質疑およびコメント

復旧工事に長期間を要している理由。

燃料取り替えに関し、規制側が協力的でないことも問題。

Na検出器は羹に懲りて過剰になっている。実用機では合理化すべき。

Na検出器は構造・設置がセンシティブすぎるのではないのか。

Na漏れは起きることを想定してシミュレーションし対応を明確にしておくべき。外部向けに事例集等を公表しておくことが必要。

「もんじゅ」は原型炉ということもあり、高コスト。「もんじゅ」の経験も生かし、合理的な設計をして欲しい。

以上(文責 中神)