ポスト「原子力立国計画」の行動計画
日時:2007年2月21日 15:00〜17:00
演題:ポスト「原子力立国計画」の行動計画
講師:資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力政策課長 柳瀬唯夫氏
座長:林 勉 氏、松永一郎(文責)
(座談会主旨)
2005年10月に閣議決定された原子力委員会の「原子力政策大綱」は、その内容の具体策を策定するために資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会において13回審議されたあと、2006年8月に「原子力立国計画」としてまとめられた。
その具体策は現在、国の関係各省庁・機関、電気事業者、メーカーなど、それぞれの分担項目別に行動計画が立てられ、一斉に実施に移されつつある。
今回は「原子力立国計画」取りまとめの事務局を努められた原子力政策課長の柳瀬唯夫氏をお招きし、「原子力立国計画」が現在、具体的にどのように進められ、また進められようとしているのか、その内容について伺った。
座談会は初めの1時間を柳瀬氏のご講演とし、後の1時間を質疑応答に充てた。
(講演概要)
講演は柳瀬氏が準備した「ポスト「原子力立国計画」の行動計画」(第14回原子力部会資料暫定版)にしたがって行われた。
1.ポスト「原子力立国計画」の基本方針
・関係者が一体となって、連続的に具体的なアクションにつなげる。
・やれることはぜんぶやる。(国として)
2.原子力立国計画の位置づけ
・原子力委員会が「原子力立国計画」を了承(06.8)
・「原子力立国計画」を取り込んだ「改定エネルギー基本計画」を閣議決定(07.3予定)
3.重点施策10項目の主要実行済・実行予定事項の概略説明
(1)原子力発電の新・増設、リプレース投資の実現
@ 電気事業者の財務負担軽減のための引当金制度の創設
第2再処理工場建設関連の引当金制度と新規原発建設費用の事前積立制度について、現在パブコメ中
A 原子力発電のメリットの可視化
事業活動に伴い相当程度多い温室効果ガス(主としてCO2ガス)を排出する者(特定排出者)は所管大臣に排出量を報告しなければならない。排出量には使用電力量から算定されるCO2量も加算しなければならない。
排出量を計算するための、排出係数の算出方法を作成し法案化する。また、排出係数が基準値を下回る電気事業者名を公表することとする。現在パブコメ中。
原子力発電比率の高い電力を購入している特定排出者は“電力使用によるCO2排出量”が低い。
→原子力比率の高い電力を特定排出者(大口消費者)が買うインセンティブとなる。
(2)安全確保を大前提とした既設炉の適切な活用
・現在の各プラント横並び一律型の検査から、欧米のようにプラントごとの保全プログラムに基づくものにし、運転中の検査も導入。保全方法も状態監視保全やオンラインメインテナンスの適用範囲を拡大し、安全性の向上と稼働率の向上を図る。
新検査制度の導入は2008年度目処。
(3)核燃料サイクルの着実な推進と関連産業の戦略的強化
@ 六ヶ所再処理工場の本格操業開始対応
アクティブ試験開始に向け、国は約40回現地訪問、説明。ニ階前経産大臣も訪問。
本格操業に向けて、国は引き続き理解促進を図る。
A プルサーマル
九電玄海発電所におけるプルサーマル実施に関して、国は25回現地訪問、説明。ニ階前経産大臣も訪問。
B ウラン濃縮
日本原燃における新型遠心分離機の技術開発に対する政府補助事業を継続。2010年度からリプレース。1500tSWU/年を目途。
(4)核燃料の資源確保戦略
@ カザフスタン(世界第2の埋蔵量)
小泉前総理が訪問。首脳外交を展開。ウラン鉱山開発以外に原子力産業・技術の高度化など、国が前面に立って、包括的原子力協力の方向。リスクマネーも提供。
A ウズベキスタン、オーストラリア
より積極的なアプローチを開始。
(5)高速増殖炉サイクルの早期実用化
−原型炉「もんじゅ」の早期再開
−実証炉2025年、商用炉2050年前の導入
−六ヶ所再処理工場終了時に第二再処理工場の操業開始
以上の3点が主要項目
@ 「高速増殖炉サイクル実証プロセスへの円滑な移行に関する5者協議会」を発足させた。
5者協議会:文科省、経産省、JAEA,電気事業者、メーカーの幹部会
A 実証炉開発メーカーは中核メーカー1社を公募で決定
B 「高速増殖炉サイクル実用化研究開発」の開始
文科省、経産省の予算130億円(07年度)。具体的な進め方について5者の実務者からなる「高速増殖炉サイクル実証プロセス研究会」を作って、検討を開始した。
今年度は実証炉について「設計研究」に関連する13の革新技術開発課題について論点整理をおこなった。また、燃料サイクルについては、「第2再処理工場」に係る「今後準備すべき事項および検討体制の在り方について整理した。
(6)技術・産業・人材の厚みの確保
−官民一体での次世代軽水炉開発プロジェクトの着手
−世界市場で通用する規模と競争力を持った原子力産業の実現
−現場技能者の育成・技能継承の支援
−大学等の原子力人材育成支援
以上の4点が主要項目
@ 06年度予算で20年ぶりの次世代軽水炉開発事業のフィージビリティスタデを開始
A 06年、日本の3大メーカーを軸とする世界の原子力メーカーの再編が進展。国は次世代炉開発に絡んで、メーカーの国際展開に関する支援を実施していく。
B 06年度予算で福井地区、福島・新潟地区、青森地区の3地域の技能者の育成、技術伝承事業を実施。今まで約4,600名が受講。最終的には3地域合計で2万人超目途。
C 07年度予算案で文科省と経産省とで「原子力人材育成プログラム」を創設。
産業界のニーズと大学等の実態のすり合わせを行い、内容を決定。全7内容(大学が主体)
(7)我が国原子力産業の国際展開支援
状況:原子力市場は従来の日本一極集中から世界に拡大する。日本の3大メーカーを軸とする世界の原子力メーカーの再編が進展。今、大きな構造変化が生じている。
@ 米国
米国では原子力発電所の新規建設計画が目白押しである。それを踏まえ日米エネルギー協力の合同文書に合意:07.1甘利経産大臣⇔ボドマンDOE長官
今後政策協力の枠組み合意に向け、協議を進める。
A
ベトナム、インドネシア、中国に対する各種協力を進める。
(8)原子力発電拡大と核不拡散の両立に向けた国際的な枠組み作りへの積極的関与
−核燃料供給保証
−米国GNEP構想
以上の2点が主要項目
@ 米国等6カ国提案を補完する日本提案を発表(06.9)
日本提案:IAEA核燃料供給登録システムを創設し、各国が自発的にそれぞれ保有する核燃料関連フロントエンド供給能力を登録。そのレベルに応じて、供給者になれる可能性を残す。
A 米国GNEP構想に対して、日本として全面的に協力する意向を表明し、具体的な技術提案を実施。今後、継続して支援していく。
(9)原子力と国民・社会との共生
−国の顔が見える形で各レベルにおける真摯な取組の積み重ね
−きめ細かい広聴・広報の実施
−地域振興に向けた支援
以上の3点が主要項目
@ 原子力立国計画の周知を図るために、立地地域での説明会、関係自治体への説明など全国キャラバンを実施・・青森県など全国13地域3000名
その他、学会、産業界、経済界、報道関係などへも説明
A プルサーマル、六ヶ所本格操業開始、原子力発電の新・増設関係でシンポジウム、座談会、講習会、研修会を多数開催
B 消費地市民、次世代層、オピニオンリーダー候補を対象にした各種シンポジウム、見学会、展示会などを開催
C 07年度以降、原子力OBや草の根的NPOと連携した広報事業を実施予定。また、全ての広聴・広報のフォローアップと評価システムを導入予定。
D 地域振興策として、核燃料サイクル施設やプルサーマルに同意した道県に対して06年度予算で核燃料サイクル交付金制度を新設。逆に国の安全確認後も運転再開していない核燃料サイクル施設が所在する道県への「みなし交付金」を06年度から廃止するよう措置した。
(10)放射性廃棄物対策の着実な推進
−高レベル放射性廃棄物最終処分場の確保
−TRU地層処分事業の制度化
以上の2点が主要項目
@ 高レベル廃棄物最終処分場の確保に向けて、国が前面に立った理解活動へ転換。地域支援措置として06年度より、文献調査立候補市町村に対する交付金を増額。(単年度10億円総額20億円)
A NUMOによる最終処分の対象にTRU廃棄物、海外再処理発生TRU廃棄物と等価交換の高レベル廃棄物を追加ほかを「放射性廃棄物小委員会」で検討。今次通常国会で改正法案を提出予定。
B 高知県東洋町がNUMOに全国で初めて応募。
(質疑応答)
質疑応答は予め林代表幹事が準備した「原子力立国計画討論事項(案)」にしたがって進められた。その内容は以下の通り。
−原子力発電の割合を中長期的に、30〜40%以上としているが、この程度でよいのか。
−原子力の健全な推進に対し、地方自治体のあり方が今のままでは困難ではないか。この状況の改善のための対策が必要ではないか。
−メーカーの国際体制が明確になった現時点で、原子力の国際マーケットをにらんだ、我が国としての対応策が必要ではないか。
−FBRの健全な推進は我が国の今後の原子力展開上きわめて重要。失敗は許されない。不退転の決意の中心体、リーダーが必要。この体制作りをどうすべきか。
−経産省の原子力政策課は「原子力立国計画」で原子力推進に向けて大きな第一歩を踏み出した。しかし一方で原子力安全保安院は規制強化の方向であり原子力推進に逆行しているように見える。この対策は。
以下、質疑応答 Q:質問 C:コメント As:回答
1.原子力発電比率について
Q 原子力発電の割合を中長期的に、30〜40%以上としているが、この程度でよいのか。
As 原子力政策大綱を議論している時はこの数字でも本当にできるのかと云った話であった。今は様変わりしている。ただ、望ましい数値がどこにあるかは難しい。地震で女川の原子力発電所が全部止まってしまったことから見て、50%を超えたらリスキーではないのか。フランスのように簡単には止めない、負荷追従運転をやっているという状況に、未だ日本はなっていない。
Q 今はそういった状況に無いのは分かるが、いずれそうなるであろう。どこかでその議論はしていないのか。
As していない。
C 今は世間的なこともあり止めざるを得ないこともあろうが、本来なら規制側と電力が相談して運転を続けても良い場合があるはず。
C 原子力発電を導入した時の理由は「エネルギーセキュリティー」であった。その後、石油のコモデティー化でその議論は下火になったが、中国、インド等がエネルギー消費大国となり、再び元の状態に戻った。そういった意味で「原子力立国計画」ができたと思っていたがそうでもない。エネルギーセキュリティー議論の観点からすると、負荷平準化、電気自動車、石炭火力の原子力へのリプレース等総合的に考える必要がある。そういった点で、どうもバランスが取れていない感じである。
Q 日本のエネルギー自給率は4%。本来なら自給率のターゲットを決めて、そこから原子力比率の話をすべきである。石油については我が国の資本による開発比率を40%にするという目標が立てられている。原子力政策大綱の30〜40%にとらわれてしまったのではないか。
C 地球環境問題を含めれば、原子力比率を上げざるを得ない。短期的には原子力と自然エネルギーでやっていくしかないが、いずれ原子力比率の話になる。
As 我が国の戦後のエネルギー政策は状況に応じてどんどん変ってきた。当初はエネルギーセキュリティーであったが、石油が多量にはいるようになり、エネルギー使用の効率化が優先されたが、今はまた資源確保が言われるようになった。つい1年前には「原子力の発電比率を50%に」といったら「どうかしているのではないか」といわれただろう。今は「30%〜40%またはそれ以上」の「それ以上」に重みをおくことかと思う。「方向がキッチリと出ていれば、それでよい」との考えである。なお、エネルギーセキュリティーとは自給率の問題だけではないだろう。
C 確かに30%〜40%の議論をしている時に「70%」といえば、「なんで?」ということになるだろう。ただ、原子力は電力だけでなく、熱利用もあることを忘れてはならない。
Q 原子力発電所の建設スケジュールについては06年度計画を守ると云っていたが、敦賀3、4号機はすでに2年遅れている。それについて国は何もアクションを取らないが、違和感を覚える。どうしてか?
As 原子力を国営にするなら話は別であるが、建設のオンスケジュールもあるだろうが、そうではない。電力会社は経営には踏み込まれたくないだろうし、強制的措置をとろうとすれば逆効果。重要なのはどうしたら建設できるかを国と電力が率直に協議したことであって、相談しなかったら、(向こう10年で1700万KW建設の)半分も出てこなかったであろう。
2.地方自治体のありかたについて
Q 原子力の健全な推進に対し、地方自治体のあり方が今のままでは困難ではないか。この状況の改善のための対策が必要ではないか。
As 地方自治体との関係が難しい課題であるとの認識は皆さんと同じである。ただ、こういった状況は日本だけでなく、他国も同じ。例えば米国の使用済燃料の処分。この権限は連邦政府にあって、州の反対をオーバーライドできる法律になっているが、ヤッカマウンテンでネバダ州が裁判闘争を起こして徹底的に抵抗しており、ニッチもサッチも行かなくなっている。ドイツではエネルギー関連の許認可権を中央政府が地方に委任しており、中央政府は地方政府が国のエネルギー政策に矛盾したら自ら許認可を行える法制度となっているが、地方政府で緑の党が与党になった際に動きが取れなくなった。日本は原子力に関しては世界でも中央政府に許認可権が集中しており、ほぼ100%の許認可権は国が持っている。にもかかわらず地方自治体が事実上の拒否権を持ち、電力もその云うことを聞く。これではこの面では国として打つ手が無い。
なお、広聴・広報に関しては、できるだけ国が前面に立って説明するようにしており、プルサーマルの玄海での地元了解をいただくのに25回、再処理の最終試験に了解をいただくのに50回地元におうかがいしてご理解をいただいた。
C 総理大臣が直接行って話しをするのが効果があるのではないか。韓国の低レベル廃棄物の処分場建設については大統領が直接説明した結果、うまく行ったと聞いている。
As それもある。日本では確か小渕総理の時に1回あっただけと記憶している。ただ、韓国の場合、大統領説明以外に
・ 交付金を高レベル廃棄物並みに出す
・ 偉い坊さんが説得した
・ 本社を移転した
・ バイオ関連の研究施設を建てることとした
といったあわせ技で解決を図った結果である。
なお、こういった施設は候補地が一箇所だけだと反対の声が大きいが、3〜4箇所出てきて競争になると冷静になる傾向がある。フィンランドでもそうであった。
3.メーカーの国際展開支援
Q メーカーの国際体制が明確になった現時点で、原子力の国際マーケットをにらんだ、我が国としての対応策が必要ではないか。
As 国に支援して欲しいという具体的なニーズがあれば出て行く。2国間協定でもカザフスタン、インドネシア、ロシアなどとも結ぶ考えである。
また、輸出に対するファイナンスも最大限支援する。ただ、マスコミは公的金融タタキが多く、やりにくい。国益を損なうことになる。
Q 国としてメーカーは1社と考えていたはず。実際には3社のままに国際的な連携が進んだ。このことをどう考えるか。
As それぞれが独自にパートナーを見つけて共同して事業をすることになった。物づくりばかりうまい会社が3つ揃うよりも、よいかもしれない。ただし、GE,WH,アレバ社の物づくりだけの下請けにならないようになって欲しい。海外メーカーに対して有利になるには、頭の部分である開発能力についても有利に立たないとダメである。この点に関しては3社ばらばらでは難しいであろう。そういった意味で、次世代軽水炉開発の場も活用してもらいたい。
C 物づくりだけでなく、開発能力について頭を持つと言うことに関しては、3社が競争して切磋琢磨するのはよいことだ。国内の次世代炉開発の話は別ものと考えればよいのではないか。
C 次世代軽水炉はセキュリティーの意味からP,B両方あったほうがよい。
As 国としてはP,Bそれぞれ一つずつにして欲しいというのが本音。3つはできない。
4.FBR開発
Q FBRの健全な推進は我が国の今後の原子力展開上きわめて重要。失敗は許されない。不退転の決意の中心体、リーダーが必要。この体制作りをどうすべきか。
1社体制にするのはよいが、他の2社にもある程度の技術分担をさせるべきではないか。
As 2050年の商用化ということをターゲットに考えると、「小学校に入る前に将来の大臣を決めるのか」といった議論もある。まだ発注者も決まっていない段階で、その中味まで決めることはできない。
とりあえず向こう7年間ぐらいをターゲットに、選定された要素技術を詰めていって、我が国の技術力の向上の涵養に努めるといったことだと考える。Na冷却炉であって、その全体設計が見えてくる段階までといったところか。
C U濃縮の商用化の時はNPT遵守のためにU濃縮機器製造1社体制とした。ナショナルプロジェクトとしてJNCが開発したものを技術移転した。研究段階でJNCは「腐食」については研究していたが「UF6の付着」については研究していなかった。技術移転後に付着が問題になったが、その時には研究チームは解散していて、国家予算が着かず、付着について研究が進まなかった。FBRについてはそのようなことが無いようにして欲しい。
Q 2050年の開発スケジュールで本当にFBRによるリプレースが間に合うのか。既存炉の寿命60年とすると、38基が次世代炉となり、この寿命を考えると2100年にならないとリプレースできない。
フランスは2040年から年間2基ずつFBRを建設して、順次、軽水炉とリプレースする計画を立てており、世界のFBR市場を制覇するといっている。
As フランスは大統領府と原子力庁の思惑が違っているように見える。大統領府は政治的に絵を描く。では実際にどうするのかと原子力庁は見ている。米国のGNEPも同じ。どの国でも絵と実際は違う。
日本でも2025年から2050年までの道筋はまだアイマイ。そのところに一喜一憂しても無駄だろう。技術の成熟度、リアリティーが見えてこなければ、誰もついてこない。結局、日、米、仏で共同開発することになろうが、リアリティーが見えてくるまでは国が引っ張らなければだめである。勝ち残る決意でやることだ。2050年のウラン価格がどうなっているのかも分からないだろう。
Q と言うことは、軽水炉とFBRは完全にはリンクしていないということか。
As わずか2年前には「核燃料サイクルはやめて、中間貯蔵でしばらくしのごう」という意見があった。これではオプションが限られてしまうのでだめである。選択肢を多く持って柔軟に対処することが大切である。
5.「原子力立国計画」の原子力推進の姿勢と原子力安全保安院の規制強化の姿勢とのアンバランスについて。
C 原子力立国計画は立派である。しかし規制に関してはまるで魔女狩りのようで、すべて電気事業者が悪いということで、すさまじい渦の中に入る。10年以上前の話も出ている。これが終息しないと立派な原子力立国計画も進まない。その辺について、経産省内で議論してもらえないものか。
As 今は電力サイドから自発的に問題だったことが出されている。ある程度、打ち止め感がでるまではだめではないか。
(感想)さすがに原子力立国計画を取りまとめた中心におられた柳瀬課長の話だけに、非常に分かりやすく、また原子力立国計画の実行政策が具体的に立てられ、かつ迅速に実施に移されている状況がよくわかった。「やれることはすべてやる」が掛け声だけでなく、国が先頭を切って皆を引っ張り始めたことが実感できた。
たまたま、このようなときにタイミングを合わせたように我が国メーカーを中心とする国際的な業界再編がおこなわれつつあるが、それによっていささかも原子力立国計画がゆらがずに、むしろ補強された感がある。
現在、電気事業者は過去のデータ改ざん問題でゆれているが、これは次なるステップである「欧米並みの高稼働率と安全性のアップ」実現のための地ならしであり、民意を納得させるための土台作りと見る。
また、中長期的に次世代炉、FBRを中心とする核燃料サイクル技術を今後の我が国の中核技術に据えていく意気込みも感じた。
なお、「自給率のアップ」は原子力立国計画のスコープ外であることはやむをえないことであるが、「それ以上」の記述があるので、その目標数値、議論する場について提言していくのはわれわれの役目の一つであろう。
出席者:(順不同)
末木隆夫、土井彰、杉野栄美、加藤洋明、石井陽一郎、奥出克洋、斎藤伸三、竹内哲夫、森 雅英、太組健児、林 勉、池亀 亮、益田恭尚、中神靖雄、伊藤 睦、荒井利治、松永一郎、石井正則、小川博巳、篠田 度、西村 彰、
石井 亨、柴山哲男、松岡 強、畑 弘通、今井敬一、佐藤祥次、西郷正雄、下田秀雄、武藤 正 以上30名
以上(R2)