市民に解る「安全」の証を公に(提案)

平成14年9月9日

岩 井 正 三

私は別の立場から意見を述べたい。

退職して、地域の人達との交流が増え、色々な経歴の方々と延々たる40数年の仕事のことも肩の力を抜いて話合える機会ができました。これが市民というものでしょうか。


 今回の東京電力事件は市民として身に堪える大きな打撃でした。と言うのも、8月28日、趣味を通して町内のリタイア組で親善1泊旅行をした際、たまたま現役時代の四方山話の中で、「最近、原子力の事故が多いのではないか。」との問い掛けがあり、「いやいや、機械物だから多少の故障や漏れぐらい起こる。でも、全て届出が守られ、公開し、規模によっては発電所を停めて検査している。だから多いように思われる。公表したくないことも言わなきゃならないから、返って安心でしょう。」と話しました。その翌30日の新聞・テレビの報道に始まり今日まで、「情報隠し」「隠蔽」「改ざん」の記事の連続で、実の所余りにもタイミングの悪さに自分まで嘘をついたのかと思いたくなりました。

昨日もその中の一人に会いましたら、「電気は不買運動ができない、さらには原子力の電気を選別して要らないと言えないから、どうしようもないね。」さらに、「シュラウドの応力腐食割れだから安全上問題がないと言われても難しい言葉で何のことやらさっぱり分からない。兎に角、停電にでもなったら困るから、「安全」「安全」の言葉よりも安心な電気を送ってもらわないと。」と言っていました。私も市民ですから新聞・テレビの報道情報以外情報網がありませんから、市民に解る「安全」の証を公に出してもらいたい気持ちで一杯です。

 

そこで、提案です。原子力安全・保安院でも電事連でもよろしいが、今回の炉心シュラウドその他関連損傷状況、安全上の具体的見解を広報のパンフレットの様な図と解説で新聞全面広告の様に掲載して、わかり易く「安全」の証を示されたら如何でしょうか。将来ともわが国のエネルギーの基盤として不可欠な原子力発電を停滞させ禍根を残さないために、いま、英知を集め、知恵を絞り、こんなことでもしなければならない時ではないでしょうか。勿論、報道機関にも異例の協力をお願いすることになります。

 

市民は「安心」を求めています。しかし現代には絶対的安心はないことの認識はありますし、リスクの受け止め方も人によって異なり、安心の度合いも違います。リスクの認識をする上にもベースとなる技術的真実を明確に伝えたいものです。

これで、私も地域の人への面目も立つと言うものです。甘いでしょうか、勝手でしょうか、非常識でしょうか。ご批判ご意見をこのHPから頂戴したいと思います。

以上