「首相率先垂範の水素自動車の利用」に関連した意見

 

  「エネルギー問題に発言する会」会員 益田恭尚

 

いつも「小泉内閣メールマガジン」興味深く読ませていただいております。2002/12/05、第73号に燃料電池自動車についてのお話が出ておりました。それに関連し一言述べさせて頂きます。

私はかねがね政府の50年100年先を見据えたエネルギー問題についての取り組みに不安と不満を持っている者の一人です。以前ご提案させて頂いた、「日本の国益を考える有識者の諮問委員会」でエネルギー問題は真っ先に取り上げるべき課題だと認識しております。

エネルギーと環境問題を考える時、水素の利用は是非達成しなければならない課題であります。その意味でも首相率先垂範の水素自動車の利用は大いに賛意を表するものであります。

しかし、水素のメリットを書きながら、どのようにして入手するのかについては何も記載されていない点大いに不満です。ニュース報道でも何時もこの点触れられておりません。水素を得るにはエネルギーが必要です。どのようなエネルギーを利用したら良いのでしょうか。化石燃料では殆ど意味を成しません。将来水素の利用が進み、大量の水素を得ようとすれば、原子力との組み合わせしか考えられません。気温が低い(効率が良くなる)、利用地から離れ送電効率の悪い地域に水素製造向け原子力発電所を建設し水素を作り、消費地に輸送するのが最も適していると私は考えております。また、将来は原子力で直接水素が作れるようになるかもしれません。

水素の優れた点についてのPRは結構進んでおり、多くの国民も良く知っているようです。しかし、水素は自然界から容易に得られると思っているのではないかと恐れます。

国会で50年100年先を考えたエネルギー問題についての政策論議を進め、その中で水素問題についても討議することが先ず大切なことではないでしょうか。これにより報道もエネルギー問題を取り上げるようになり、国民も自然にエネルギー問題について常識が養われるようになるものと考えます。