マスコミは、何故原子力立地市町村長の声を報道しないのか?
2003年2月1日
奥出 克洋
去る1月21日と23日の両日、原子力委員会主催の「核燃料サイクルのあり方を考える検討会(第3回)、(第4回)」が、 中央合同庁舎第4号館で開催され、陳述人として
森 卓郎 鹿児島県川内市長
佐藤 純一 北海道泊村長
安住 宣孝 宮城県女川町長
中元 清吉 愛媛県伊方町長
村上 達也 茨城県東海村長
本間 義明 静岡県浜岡町長
青山 善太郎 島根県鹿島町長
細川 義雄 石川県志賀町長
が出席され
1.原子力発電所の検査・点検等の不正問題に対しどのように感じ、何を考えているのか。
2.国の原子力政策に何を求めているのか。
3.その他。
に就いて、藤家原子力委員長以下の原子力委員会委員に対し陳述をされましたが、陳述人が共通して発言していた事は、
・ 国がもっと前面に出て住民と直接会話をして欲しい。地方で原子力委員会を開催するのは賛成である。オフサイトセンターも住民と国との直接の会話の手段として有効である。
・ マスコミの書き方は、販売紙数を増やす目的なのか、必要以上に記事をセンセイショナルに扱っているように思える。
・ マスコミの報道が、事後に国から発表される事象評価尺度と全く乖離していて、町や村の行政の責任者として、住民に対して説明に困る事がしばしばある。町長や村長は、住民の日々の生活に責任があり、且つ4年毎に選挙で住民の評価を受けている。この点マスコミは全く無責任な事を書いても、後で責任をとらされる事はない。かかる悪影響を排除するためには、全ての情報を住民に与える事と、国が出来るだけ直接住民と接する事が必要であり、是非、原子力委員会も地元に出てきて欲しい。
・ 本間 浜岡町長に依ると、浜岡のトラブルに就いてのマスコミの過大報道で、その都度住民が、一喜一憂し、頻繁に町長に直接問い合わせや、非難の電話が掛かって来ていたが、その後、町で CATV を設置し、何か有れば直ちに、国や事業者の情報を、主にゴールデン・アワーに各住民宅に直接流す事によって、住民が客観的な評価をする事が可能になったためか、町長に直接苦情の電話が掛かる事は無くなったとの事。
この検討会にはマスコミの数社が取材に来ていた様だが、当然の事ながら自らに都合の悪い事は翌日の報告記事の中には一切書かれていなかった。
以上ごく最近の経験から、“日本のマスコミは、恣意的なニュース報道の選択の自由”しか考えていない様な気がしてならない。
以上