定期安全レビューとは、電気事業者が原子力発電所の運転開始以来行ってきた設備・運転管理のあり方について、約10年毎に自ら総括し、国がその妥当性を評価するシステムをいう。
内外の原子力発電所の運転経験や最新の技術的知見に照らして、その反映状況を調査・分析し、確率論的安全評価や信頼性に係る総括的な評価により、必要に応じて安全性向上のために有効な追加措置を摘出し、プラントの安全運転を継続できる見通しをうることを目的とする。 平成4年に、原子力安全委員会で検討が開始され、平成5年に基本方針が策定された。平成6年以降、原子力発電所の運転期間の長期化等を踏まえて、順次、相当の運転年数が経過するプラントについて、通商産業省は定期安全レビューを電気事業者に指示し、その評価結果を原子力安全委員会に報告してきた。
通商産業省は、平成8年4月に纏めた「高経年化に関する基本的考え方」に基づき、電気事業者に対して、定期安全レビューに高経年化対策検討を組み込むよう要請し、平成11年2月、敦賀1号機、美浜1号機および福島第一1号機の3プラント、さらに平成13年6月には美浜2号機及び福島第一2号機について、それぞれ技術評価と長期保全計画をとりまとめた報告書が提出された。平成14年9月、原子力安全・保安院は、東京電力の13プラントの自主点検記録について、不実記載の疑いに関してその事実関係の調査を行い、明らかになった事実に基づき、福島第一・第二および柏崎刈羽の9プラントに付いて、経済産業省として定期安全レビュー報告書を妥当とした評価を撤回した。(小川
博巳)
|