設計製作当初の金属材料の厚みが、運転使用とともに減少してゆく現象である。減少する主な原因は腐食(corrosion)、エロージョン(erosion)および機械磨耗である。腐食は、金属が環境との相互作用によって、化学的または電気化学的に浸食される現象をいう。水または水溶液が関与することによって、金属が浸食される場合を湿食、高温の酸素、炭酸ガス、硫黄などの腐食性ガス雰囲気で浸食を受ける場合を乾食と呼んでいる。エロージョンは高速のガス、流体、粉体などによる衝撃的な外力によって、金属が損耗を受ける現象をいう。腐食の作用が伴う場合を、エロージョン−コロージョンとよぶが、広義には気泡や異物による衝撃腐食やキャビテーション損傷を含み、潰食とも呼ばれる。機械磨耗は部材同士が力学的振動や摺動により擦れ合い、磨耗する現象をいう。 (土井
彰)
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