5・10 ASME(米国機械学会)
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米国機械学会は、1880年にわずか30人の米国の著名な機械技術者たちにより創設された。 20世紀に入り、工業の急激な進歩に呼応し、米国機械学会の活動も急速に拡大し、現在では技術、教育、研究にまたがる世界的規模の技術的学会になっている。 現在125、000人の会員を擁し、世界最大の技術出版事業、毎年30を超える技術会議や200にも及ぶ開発専門部会の開催、および多くの工業基準や製造基準の制定など、非常に顕著な活動を行っている。 なかでもJournal for Mechanical Engineers(米国機械学会誌)と、ASME /Boiler & Pressure Vessel Code(ボイラー、圧力容器技術基準)の発行が、その代表として挙げられる。 特に後者は、わが国の技術基準の手本にもなった、世界的に権威のある技術基準で、11分冊からなり、ボイラー、圧力容器の設計、製造、検査および建設中の原子力プラント機器の安全基準である。 そしてこの技術基準は、950人以上のボランティアの技術者からなる「ボイラー、圧力容器委員会」により、絶えず刷新されている。 またこの委員会は、技術基準の解説や改定の要望また新しい基準の制定などに常時対応しており、更に3年に一度の頻度で技術基準の改訂版を発行し、その間は毎年補遺版を発行するなどの重要の働きを行っている。            
なお同種の学会としては、わが国にも100年の歴史を持つ日本機械学会(会員41,293人、平成13年末現在)がある。 (杉野榮美)